マレーシア、インドネシアに経営資源集中?
これについて、ダイハツは「アジア新興国ではインドネシア、マレーシアで販売が好調で、今後も経営資源を集中させる」と反論する。ダイハツの海外の主な生産拠点はマレーシア、インドネシア、パキスタン、ベネズエラの4カ所だが、生産実績は圧倒的にマレーシア、インドネシアに集中している。人口の多いインドネシアでダイハツはトヨタに次ぐシェアを確保しており、この点は大きな強みだ。しかし、他の日本メーカーのように大市場の米国や中国に生産拠点がない点で、ダイハツは遅れをとっている。
ダイハツが米国で乗用車を販売できず、欧州からも撤退するのは、成熟市場の先進国でユーザーがダイハツを選択するだけのブランド力を確立できなかったからだ。逆にマレーシアやインドネシアで好調なのは、高品質で安価なクルマとして、現地では認められているからだろう。トヨタの子会社として、国内の軽市場では盤石のダイハツだが、海外市場で通用する魅力ある商品を投入し、ブランド力を高めなければ、さらなる展望は開けないのでは、との懸念が広がっている。