日本国債格下げと円急落 背景に政府・民主党への不信感

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   2011年1月27日の東京外国為替市場で円が急落した。82円20銭近辺だったドル円相場は、一時83円台に、ユーロ円相場も112円50銭近辺から113円40銭台まで下がった。

   きっかけは、米格付け会社のスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が日本国債の長期格付(ソブリン格付)を「AA」から「AAマイナス」に引き下げたためだ。「AAマイナス」はS&Pの格付けで上から4番目。S&Pは10年12月に中国国債を「AAマイナス」に引き上げたが、このとき日本国債の見通しを、格下げの可能性がある「ネガティブ」としていた。日本国債の格下げで、日中両国の国債の格付けが並んだことになる。

予算案の国会承認へ「大きなプレッシャーになる」

   格下げは、日本の財政債務の比率がさらに悪化するとのS&Pの見方を反映している。S%Pは財政赤字の対国内総生産(GDP)比率は2010年度の概算値である9.1%から、2013年度には8.0%とわずかしか低下しないと予想。中期的には大規模な財政再建策が実施されない限り、2020年度より前に財政収支の均衡は達成できないとみている。

   長引くデフレも日本の債務問題をさらに深刻にしていると指摘している。

   S&Pは、国債発行額の承認を含めた2011年度予算案と関連法案が「国会の承認を得られない可能性もある」と指摘。政府・民主党への不信感が募っており、あるシンクタンクの研究員は「格下げは政府・民主党に対して大きなプレッシャーになるはずだ」と話している。

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