アイドルグループAKB48の関係者がファンの女子高生らを楽屋に案内する「特別扱い」をしたことを巡る騒動が続いている。事実関係を認め謝罪していた関係者は、新たに「ルール改正」の必要性をブログ上で公表した。一方、インターネット上では「謝罪の必要があるのか」との疑問の声や「AKB商法の自己否定」との指摘も出ている。
「AKB48が大きく成長した今、アルバイトを含めた関係者との『ルール』も改正しなければならないと思っています」。AKB48劇場支配人の戸賀崎智信さんは2011年1月27日未明、「AKB48オフィシャルブログ」でこう明かした。
ファンに「ルール守ってください」といっておきながら…
「関係者との『ルール』」が何を意味するのかは書かれていない。それはともかく、日頃はファンに対して「ルールを守ってください」といっておきながら、今回は「僕達が『ルール違反』をしてしまった事 本当に申し訳ないと思っております」ということらしい。25日付ブログに続き、改めて謝罪している。よほど強い反発が寄せられたらしい。
ことの発端は、J-CASTニュースが1月26日に「『AKB48』メンバーと支配人が謝罪 女子高生にタダのチケットで『炎上』」で報じたように、コンサートに来ていた女子高生2人が「AKB48の偉い人」からチケットをもらったり、楽屋に招かれたりしたというものだ。
この女子高生がSNSサイトでそのことを明かしたため、「入りたくても入れない人がいっぱいいるんですよ。(略)それじゃあ抽選する意味ないじゃん」といったファンの反発がツイッター上などで広がり、「謝罪」に発展した。女子高生らと一緒に写真に写ったAKB48メンバーの宮澤佐江さんも、ファンに心配をかけてしまったとしてブログで「ごめんね。。。」と謝っていた。
ヤフーへ配信された同記事のコメント欄をみると、運営側がファンに対してはAKB48のチケット転売や譲渡を厳しく禁じておきながら、自分たちは「譲渡」をするのでは「説得力がない」という指摘が相次いでいる。一方で、「こんなことで」大きくAKB48側へ反発する方が「おかしい」という声もある。
J-CASTニュースのコメント欄でも、「『公平さ』というものは大事だろうな」とファンの気持ちに理解を示す反応や、「騒動を起こした過激ファン」の方こそ「謝罪すべき」という様々な声が寄せられている。
「何がマズいのかサッパリ解らん」
2ちゃんねるでもスレッド(話題提供のための「板」)が10本以上立つなど関心を集めている。怒るファンの気持ちも分かる、としつつ、「特別扱い」について「特に悪いことでもなんでもない」「何がマズいのかサッパリ解らん」と謝罪の必要性を疑問視する指摘もある。
人によっては、いわゆる「AKB商法」と関連付けて論じる人もいる。CD1枚に1枚ついている握手券を求めて1人で大量に同じCDを買うファンがいることなどで知られるAKB48にとって、「タダでメンバーと握手」という今回の事態は一種の自己否定で、「AKBビジネスの崩壊だ」という指摘も出ている。
もっとも、中には「CD6000枚で楽屋1回招待なんだろ?」との書き込みもあるが、AKB48の事務所側では「CD何枚の購入で楽屋へ招待、などということはやっておりません」と否定している。
ほかにも、「AKB48の偉い人」に疑いを持たず付いて行った女子高生らへの批判も根強い。本物とは限らず危険な行為だ、というわけだ。