2010年の訪日外国人数は前年比26.8%増の861万2000人となり、2年ぶりに前年実績を上回った。08年の835万1000人を上回り、これまでで最高となった。日本政府観光局が11年1月26日に発表した。
世界的な景気低迷や円高、さらに中国との関係では「尖閣諸島」問題などの影響が懸念されたが、羽田空港の国際線発着枠の拡大などがプラスに働いた。ただ、政府が「ビジット・ジャパン」計画で掲げていた10年までに訪日外国人を1000万人以上に増やすという目標には及ばなかった。
訪日外国人が国・地域別で最も多かったのは韓国。53.8%増の244万人だった。第2位は中国で40.5%増の141万3000人となり、これまでで最高だった。中国政府が10年7月に、個人の観光ビザの発給要件を緩和したことがプラスとなった。
一方、2010年に海外へ出国した日本人数は前年比7.7%増の1663万人となり、4年ぶりにプラスに転じた。円高の影響で、海外旅行に割安感が出たことが要因とみられる。