経団連「1%は困難」と繰り返しメディアで強調
電機連合は「1%」を盛り込まなかった理由を「十分に企業業績が回復せず、賃金水準の改善要求を行う状況にはないから」、自動車総連も「危機的な状況は脱しつつあるが、2010年9月のエコカー補助金終了や高止まりする円高で先行きが明るいとは言えない」として「闘争心」を抑え、控えめな反応を示している。
一方、連合自体も揺れている。「1%」の対象にはボーナス(一時金)も入ると昨年来、幹部が公言していたのに、「一時金は勘定に入れない」と1月下旬になってマスコミに説明して回るなど、何だか頼りないのだ。実際、自動車総連などは「一時金は昨年の水準を上回ることを目標としているので、『1%』を掲げなくても連合方針とそれほど変わらない」(幹部)としているだけに、認識の共有に問題を抱えたまま、春闘シーズンに入ってしまっている。
こうした組合側の混乱を前に経団連は「1%は困難」との発言、反応を繰り返しメディアで強調。早くも勝負があったようものだ。「春闘は曲がり角」と指摘されて久しいが、そろそろ本当にそのあり方を考える時期に来ているようだ。