連合「給与1%UP」要求腰砕け 2011年春闘すでに「勝負あった」

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   2011年の春闘は、1月19日に日本経団連の米倉弘昌会長と連合の古賀伸明会長が東京都内の経団連会館で会談し、幕開けした。春闘相場をリードする3月16日の自動車、電機単組への回答集中日に向け、攻防が展開される。

   今年の焦点は連合が新たに掲げた「諸手当などを合わせた給与総額で1%引き上げ」。給与体系を底上げするベースアップ(ベア)を2年連続で見送る代わりに持ち出した概念だが、肝心の組合への浸透が今ひとつであるため、組合側の迫力が欠けているのが実情だ。

給与総額は97年に比べ09年は5.1%減

   連合が「1%」を主張する根拠は、厚生労働省の毎月勤労統計。フルタイムの「一般労働者」の現金給与総額はピークだった1997年に比べて2009年は5.1%減少しており、1年に1%ずつ引き上げれば5年で賃金をピーク時に「復元」(連合)できるというわけだ。

   日本経済は新興国の需要拡大などを背景にリーマン・ショックのどん底からは回復し、個別の企業業績も回復傾向にあるが、給与体系を底上げするベアを、統一的に数字を入れて求めることまでは難しい。ならば、諸手当などを含めた総額なら経営側も抵抗度合いが弱まるのではないか、と考えたようだ。

   実際、経団連が1月17日に決定した経営側の指針「経営労働政策委員会報告」では、年齢などに応じて自動的に毎年給与が上がる「定期昇給」(定昇)の維持については容認し、定昇見直しを俎上にあげた2010年春闘より姿勢は柔軟だ。

   しかし「統計はそうかもしれないが、なぜ1%なのかが、もう一つよく分からない」という声は電機連合など、連合を支える産業別労働組合の大手からも漏れている。そればかりか、電機連合のほか、トヨタ自動車など春闘相場に大きな影響がある単組を傘下に持つ自動車総連も、軒並み今春闘の要求に「1%」という文言を入れていない。産別で「1%」を明確に掲げているのは繊維や食品、流通業界の「UIゼンセン同盟」などに限られている。

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