デジタル放送をアナログ方式に変換
NTT東日本のサービスの場合、デジタル放送をアナログ方式に変換して提供する「デジアナ変換」という技術を使っている。アナログ放送が終了しても、専用チューナーなしでアナログテレビが使えるのはそのためだ。録画する場合も、アナログのビデオ機が使用できる。同社によると、2015年3月31日まで地上放送が見られるという。恒久的ではないが、買って間もないブラウン管テレビがある人や、もっと値下がりしてから新しいテレビを買いたい人には好都合だろう。
しかしこのサービス、デジサポのサイトには記述がない。デジサポの担当者に問い合わせると、例えば地デジに関する質問を電話で受けた際に、相手の電波受信環境やインターネットの利用状況などを聞いたうえで、参考としてNTT東日本のサービスに触れることはあるという。ただし、「特定の業者のサービスを勧めることはできない」と言い、サイトに書かれていないのも同じ理由ではないかと説明した。
総務省は2010年11月26日、同年9月末時点での地デジ対応受信機の世帯普及率が90.3%に達したと発表。テレビの「駆け込み需要」は10月以降に起きたので、普及率はさらに上がったと見られる。一方で、不要となったアナログテレビを処分する際は有料でリサイクルに回さなければならないが、それを嫌って不法投棄するケースが増えたとの報道もある。
ジャーナリストの原淳二郎氏はブログでデジアナ変換の有用性に触れ、「まだ使えるテレビを捨ててエコポイントつきのテレビを買うことがどれほどエコなのか答えは明らかである」と指摘。また総務省や地デジ対策の宣伝番組が、デジアナ変換について一切説明しないことに「不況対策としてデジタルテレビに買い換えてもらいたいからだろうか」と疑問を投げかけている。