朝鮮学校側が「不作為」と異議申し立て
そんな中、朝鮮学校を運営する学校法人が11年1月17日付けで、「就学支援金の支給対象校にしないのは行政の不作為にあたる」などとして、行政不服審査法に基づく異議申し立てを行った。これを受け、文科省は20日以内(2月6日まで)に、審査を見合わせている理由を説明するか、審査を行うかの対応を迫られることになる。
だが、この申し立て後の1月21日の会見でも、高木文科相は、
「この『手続きを停止している』という状況だが、私たちとしては、『できれば年度内に何とかしたい』という、これまでの考え方は念頭にある。そういうものを可能な限り出来るか、ということで私たちとしては検討している。じゃあ『いつ頃までに』ということになるが、その(手続き再開時期の)ことを含めて、今、一方で、こういう(異議申し立ての)事実も出ているので、改めて対処方針を考えたい」
と、状況は変わらない。
1月25日の閣議・閣僚懇談会でも無償化の問題は話題には上らなかったといい、高木文科相は
「官邸と協議している。官邸としても、ひとつの案件として認識していると思う。出来るだけ早い機会に結論を出したいと思っているが、今、状況としては(菅首相は)代表質問があるので、こういうことに対する対応でいっぱいだろうし…」
と釈明するばかりだった。
政府の対応が決まらない中、神奈川県は、朝鮮学校への補助金交付を「反日教育の疑いがある」などとして一度は留保したが、10年12月には、「一般的認識に沿った教育が行われると確認された」として、10年度分として計6300万円を交付する方針を決めている。