「朝鮮学校無償化」宙に浮く  煮え切らない文科相

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   北朝鮮による延坪島砲撃事件をきっかけに朝鮮学校への「高校無償化」が凍結されている問題をめぐり、政府の対応が迷走している。文科省側は、10年11月の段階で、制度適用の方針を打ち出していたが、砲撃事件で手続きがストップ。文科省は「検討している」と、煮え切らない態度を続けている。

砲撃事件で手続きを凍結

   朝鮮学校の無償化をめぐっては、文科省は「教育には外交上の配慮はしない」として、11月5日に適用のための審査基準を発表。11月末に申請が締め切られた。ところが、11月23日の砲撃事件を受け、菅直人首相が手続きの一時凍結を文科省に指示。このことから、申請があった学校について、適用の可否についての審査を見合わせる状態が続いている。

   週に2回ほど行われる高木義明文科相の記者会見でも、手続き再開のメドについての質問が飛んでいるが、

「我々としては、今の事態が好転することを望んでいる。従って、今しばらく状況を見守っていただきたい」(11月30日)
「やはり今の事態を、更に推移を見極める。そういう段階」(12月28日)
「早く事態の好転のための何らかの変化の兆しと言うか、これに対して期待をしている」(11年1月5日)
「一日も早く緊張緩和の道筋をですね、得たいという気持ちはもう毎日毎日しとるんです」(1月7日)

と、煮え切らない態度が続いており、1月14日の内閣改造で留任した後も、高木文科相は朝鮮学校無償化の問題が懸案であることを菅首相と枝野幸男官房長官に指摘したものの、

「総理としては官房長官と、『こういう問題があるね』ということだった。特に具体的なことは示されていない」(高木文科相、1月14日の会見)

と、やはり前進する兆しはない。

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