大雪で露呈した過疎化の悲劇 死亡45人の6割が高齢者だった

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   北海道から北陸、山陰地方にかけて大雪が続くなかで、屋根の雪下ろしの作業中に転落したり、落雪に埋もれたりして死亡する人が増えている。総務省消防庁のまとめによると、2010年11月1日から11年1月19日までに、大雪の影響で死亡したのは11道県で45人になった。重傷者は193人、軽症者は270人に及ぶ。

   死亡者数は戦後2番目に多い、152人を出した「2005年豪雪」以来の高いペースで推移していて、死者の6割にあたる27人が65歳以上の高齢者で占めている。

屋根の雪下ろし時に転落など除雪作業が危ない

   最近は地球温暖化の影響で雪が少なくなったといわれるが、それでも2006年度に12人、07年度47人、08年度21人、09年度には56人が亡くなっている。この冬はすでに45人に達し、このままでは前年度を上回りそうだ。

   死亡者数は北海道が12人と最も多く、次いで新潟県8人、鳥取県では5人が亡くなった。死因は、屋根の雪下ろし時の転落死など除雪作業中によるものが27人と最も多い。落雪で生き埋めとなって死亡するケースも9人。雪崩による死者も6人いた。

   とはいえ、放っておけば雪の重みで家屋が倒壊するおそれもあるから、雪下ろしをやらないわけにもいかない。家屋の半壊は鳥取県で1件。一部損壊は38件あって、このうち、22件が島根県だった。

   なぜ、今冬は雪害が多いのだろう――。新潟県長岡市にある防災科学技術研究所雪氷防災センターの山口悟・主任研究員によると、「今季はふだん雪の降らないところが、大雪に見舞われているのが特徴」という。たとえば、鳥取県米子市は例年であれば雪が少ない地域で、雪崩の経験などもなかった。「備えが手薄な地域に大雪が降ったことで、被害が拡大したようです」と話す。

   地球温暖化の影響で、雪が降ったり降らなかったり、年ごとの変動が大きいので「雪への備え」が満足にいかないことがある。

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