通過した人の顔、持ち込んだバックなどを瞬時に撮影
法務省の調査によれば、07年に大当たりが出るスロットに規制がかかってからパチンコ店の客が急激に減少。09年の貸玉は95年のピーク時の70%弱の約21兆円に落ち込んだ。店舗数は09年でピーク時の70%弱、約1万2600店に激減している。こうした中で、他のパチンコ玉を持ち込む不正がのしかかった。
パチンコ玉を持った客が金属探知ゲートを通ると、ブザーは鳴らないが、ホールにいるスタッフのイヤホンに連絡が入り、他の客に気付かれないように追跡が始まる。不正がはっきりすれば、その後の対応を考える。
この金属探知ゲートは、通過した全ての人の顔写真と、持ち込んだバックなどを瞬時に撮影する機能を持っている。LANやインターネットに繋いで不審者の写真をどこでも見ることができる。
「実はこのシステム、犯人を捕まえるのが目的で開発したのではありません。証拠が写真で残るため、不正を働くのは無理だと知ってもらい、来店させないようにするのが狙いなのです」
と開発したオーケープランニングの担当者は話す。
もっとも、大手チェーンには不正を防ぐシステムがいろいろあり、店内には監視カメラも設置されている。
「現状の防犯システムには欠点が見当たらない。金属探知ゲートを付ければお客様全てを疑うことになり、失礼になるのではという不安もあります」
と大手チェーンの広報は話している。
オーケープランニングは今後、全国的に金属探知ゲートの販売を始めるが、どれだけ売れるかは予測できないという。