スタジオ代も安いし、自宅で録音もできる
音楽評論家の加藤普さんは
「例えば去年紅白にも出た『トイレの神様』の植村花菜だったら1人分の人件費で済むけど、バンドだったら4~5人分かかり、音楽不況で余裕のない事務所にとっては負担が重い。若くていいバンドも幾つか出てきているんですが、最近売れるのは嵐やAKBなどのアイドルばかりですしね」
と、金銭的な難しさを指摘する。
また、事務所からの給料が高くない限り、収入はインディーズの方がましだという。例えば、1000円のCDが3万枚売れて3000万円の売上があったとしても、メジャーで印税10%という契約だったら、バンドには300万円しか入ってこない。しかし、インディーズならインディーズCD専門の販売会社に30%支払ったとしても7割がバンドに入る計算だ。
「今はスタジオ代も安いですし、自宅で録音もできます。だとすると3000万円のうち2000万円ぐらいがバンドに残るわけで、バンドはインディーズが主流になってきています。ただ、CDは今後益々売れなくなるでしょうし、ネット配信も一曲数百円の単位で利益が少ない。これからバンドをやる人は、ネットは宣伝の場と考えてライブで稼げるよう頑張るしかないです。YouTubeから人気が爆発することもあるかも知れません。あと、普通の仕事も続けた方がいいでしょうね」