レノボにメリットあるのか
レノボの狙いは、NECよりわかりづらい。一般に、M&Aやジョイントベンチャーの設立となるとシェアアップが狙いだが、世界シェアでレノボはNECと組んでも「4番手」のままで変わらない。
IDCジャパンによると、パソコン出荷台数の2009年の世界シェアで、レノボは約2490万台の8.2%で第4位。NECは約260万台の0.9%で12位だ。「NEC+レノボ」は9.1%となる。
上位には、首位が米ヒューレット・パッカードの約6000万台の19.7%。これに、米デル・コンピュータと台湾のエイサーが約3841万台の12.6%と続く。
そもそも、NECのパソコン事業は2000年に米国から撤退し、09年には海外市場から完全に退いている。レノボが期待できるのはNECの販路を活用した、日本国内でのシェア拡大だろう。レノボの日本でのシェア(09年)は4.6%の61万台で8位。しかし、合弁会社で新たなブランドを立ち上げるなど、事業を1本化しなければ、シェアの食い合いになるだけだ。NECにとってもメリットは薄い。
レノボにとって、日本市場はそんなに「おいしい」市場に見えるのだろうか。