少女時代とともにK-POPブームを引っ張ってきた韓国のガールズグループKARAが大変な事態になっている。メンバー5人のうち3 人が「人格を冒涜された」として所属事務所に専属契約の解除を通知。グループが分裂状態になっている。
KARAは2007年に韓国でデビューし、10年8月にはシングル「ミスター」で日本進出。少女時代とともに日本でのK-POPブームの牽引役だ。
「望まない活動を強要された」
2011年1月からはテレビ東京で「URAKARA」というドラマ番組がスタート。KARAの5人が「惚れさせ屋」を目指して様々な恋愛ミッションに挑戦するというストーリーで、深夜帯にも関わらず初回視聴率は4.2%と好調だ。
しかし、2011年1月19日、リーダーのギュリさん(22)を除くスンヨンさん(22)、ハラさん(20)、ニコルさん(19)、ジヨンさん(17)の4人が所属事務所DSPメディアに対し、専属契約の解除を申し出た。その後、同日夕方になったハラさんが契約解除を撤回したという。
契約解除の理由について、スンヨンさんらの代理人は「DSP社は地位を悪用してメンバーが望まない活動を強要してきた。人格を冒涜し、内容説明もなく契約を結ぶなどメンバーの苦痛は大きい」と説明。現在5人中3人が事務所と対立しているという構図だ。
初期投資回収でハードスケジュールか
韓国の芸能事情にも詳しいジャーナリストの太刀川正樹さんは「東方神起も結局ギャラで分裂しましたからね。KARAは2010年に200億ウォン(約14億円)稼いだけれども、300万ウォン(約21万円)しかメンバーに払われなかったと韓国では言われています」と話す。
これに対しては、事務所側は昨年(2010年)は各メンバーに月200万円近く払ったと主張しているという報道もある。
「人格の冒涜」が解除理由になった背景については、
「韓国では、08年ごろから少女時代のようなセクシー系ガールズグループが大人気。同じようなグループが幾つもあります。厳しい競争の中、テレビ・新聞への露出を増やすために、もしかしたら過度の接待があったのかも知れません」
また、韓国人ジャーナリストによると韓国では、デビューするまで何年間も事務所が芸能人をサポートする。そのため、デビュー後は長期の契約を結び、それまでにかかったレッスン料や衣食住の費用を回収しようと、ハードな仕事のスケジュールが組まれることもあるという。
韓流コンテンツを扱う出版社の編集者は
「東方神起で韓国芸能界にダーティーなイメージを持ってしまった日本人の韓流ファンにとっては『え?またなの?』という感覚だと思います。でも、あくまでトラブルになっているのは事務所との関係で、KARAのメンバーが不仲だから分裂しそうになっている訳ではありません。そこはファンも分かっていると思います。ただ、もしKARAが日本で活動できなくなったとしても、他の韓国グループがたくさんいますし、K-POPブームはもうしばらく続くのではないでしょうか」
と話している。