殺処分日本の7倍約210万頭 韓国の口蹄疫なぜ猛威振るうのか

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   2010年には宮崎県で猛威をふるった口蹄疫が、今度は朝鮮半島で爆発的な広がりを見せている。日本では10年に口蹄疫で苦しめられたのは宮崎県のみだったが、韓国では全国的に広がりを見せ、殺処分される家畜の数は、200万頭以上にのぼる見通しだ。

   韓国の口蹄疫は10年1月と4月に発生し、一度は終息を見せたが、10年11月下旬に南東部で再発。これが全国に拡大している。

マスコミは政府の対応の遅れを非難

   宮崎県の口蹄疫では約29万頭の家畜が殺処分の対象になったが、現段階で殺処分の対象になっているのは約210万頭、これは、韓国で飼育されている家畜の約15%にあたり、韓国の畜産業に大きな打撃を与えることになるのは必至だ。

   中国、台湾、モンゴル、ロシアでも10年に口蹄疫が確認されているが、被害はそれほど拡大しなかった。

   なぜ、韓国でここまで被害が広まることになったのか。韓国マスコミの中でも、様々な見方がされている。例えば、1月18日のソウル新聞は、社説の中で、

「今回の口蹄疫が史上最悪に至った主な原因として、初期の対応不十分が挙げられる。防疫当局は、被害が最初の発生地周辺の小規模な被害にとどまるとみて、ワクチン接種をしなかった」

と、対応の遅れを非難。中央日報も10年12月24日の社説で、同様に初動対応の遅さを批判しているが、1月7日には、日本との違いを分析する記事を掲載している。日本については、

「畜産農家が相当な距離を置いて離れており、口蹄疫が発生しても拡散は遅いという説明だ。また糞尿回収や飼料供給、食肉処理もほぼ地域内で解決されている」

と説明する一方、韓国では、糞尿回収車と飼料供給車が全国を走り回っていたことや、比較的農家が密集していたため、被害が拡大したとの見方を紹介している。

米韓の自由貿易協定締結に関連??

   なかには、口蹄疫拡大の原因について、陰謀説のようなものまで飛び出しているようだ。同じく中央日報によると、一部のネット利用者から

「政府が米国産牛肉の輸入を増やすために、防疫対策の手を抜いたのでは」

との声があがっており、口蹄疫が広まった時期と米韓の自由貿易協定(FTA)締結の時期が一致することから、この噂がまことしやかに流布されているのだという。

   口蹄疫対策本部の関係者は、

「口蹄疫を一日も早く根絶することだけが流言飛語をなくす唯一の方法」

と、困惑しているという。

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