モンスターに反撃始めたのか 先生が保護者を訴える異常事態

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「訴訟までに学校側もやるべきことがあった」

   この両親は、2010年11、12月に2回あった口頭弁論で、訴えを退けることを求めた。教諭が、クラス内でしかっていじめの可能性を作ったり、授業中に手を挙げても無視したりと、女子児童に差別的な扱いをしたと強調。学校側は実態を調べないで勝手にモンスターペアレントに仕立て上げた、と主張しているという。

   学校側が「教員を代表して」としているということは、ほかの教員も被害に遭ったのか。両親の主張について、どう受け止めているのか。

   こうした点について、市教委に取材すると、学校教育課長は、「あくまでも担任と保護者の間の訴訟と認識しています。訴訟に影響してはいけませんので、コメントはお断りしています」とだけ話している。どうやら、学校側と認識に違いがあるようだ。

   教育評論家の尾木直樹法政大教授は、苦情を訴えた両親について、こうみている。

「子どもに全面的に味方する自己中心型と、8回にもわたって苦情を言ったりするノーモラル型の混合タイプだと思います。警察に告訴までするというのは、かなり重いですね。『教員を代表して』訴訟を行っていると言っていることは、ほかの教員も苦情などを受けたのでしょう」

   ただ、両親は行き過ぎているとしながらも、訴訟を起こすまでに学校側もやるべきことがあったと指摘する。

「8回もの苦情や話し合い拒否などは事実かもしれませんが、親の心情を分析して、まずエキセントリックになる気持ちを鎮めなければなりません。初期対応が決定的に大事ということです。こうした場合、校長ら第3者も上手に仲立ちしないといけないでしょう。学校側が結束してしまえば、親は敏感になるので、ますますエスカレートしてしまいます。今回より深刻なケースも実はたくさんあり、一つ一つ訴訟を起こしていたら、何万件もしないといけないですから」
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