民主党長老から「卑しい」の声 与謝野大臣早くも火だるま

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   菅第2次改造内閣の「目玉」、元自民党の与謝野馨・経済財政相(72)の入閣に厳しい批判が寄せられている。民主党からでさえ「卑しい、恥ずかしい」との声が公然と出た。民主党批判の「急先鋒」だった与謝野氏の一転入閣は、低迷を続ける菅政権の新たな火種になりつつある。

   「これは恥ずかしいなあ」。民主党の最高顧問、渡部恒三氏はテレビ番組で入閣をこう斬って捨てた。

渡部・民主党最高顧問「恥ずかしいなあ」

与謝野新大臣の行く末は?
与謝野新大臣の行く末は?

   渡部氏の発言は、2011年1月16日放送の「時事放談」(TBS系)でのものだ。「民主党批判の急先鋒」(同番組)の入閣について、渡部氏は「恥ずかしいなあ」発言の後、こう続けた。

   「政治家として1番大事なことは信義と節操」「自民党が政権もってるときは1番良い思いして、政権を失ったとたんに自民党を出て、(新党「たちあがれ日本」へ入党し、また離党して)今度は民主党で入閣した(編注:与謝野氏は現在、無所属)なんて、卑しい、恥ずかしい」 と顔をしかめながら答えた。

   渡部氏は「ただ、大臣としての能力は抜群」と持ち上げてもみせたが、司会者も思わず「かなりはっきりとおっしゃいました」と、大胆な批判にたじろぎ気味だった。

   一方、菅直人首相は、強い思い入れがあるようだ。1月14日の内閣改造後の会見でも、「例えば与謝野さんの参加といったものも必要だと…」「(社会保障制度や財源の問題で与謝野氏が『責任者』になることについて)ひとつの大きな(この改造内閣の)性格の表れ」などと与謝野氏に触れた。期待の大きさがうかがえる。

   その期待の中には、消費税増税議論の下地作りだけでなく、自民党時代の人脈を生かした与野党連携、ねじれ国会打開のパイプ役としての役割も含まれているとされる。

   しかし、野党の反発は大きく、現段階では逆効果ですらあるようだ。自民党の谷垣禎一総裁は1月14日の会見で、「与謝野氏パイプ役」説について、「人間の見方が間違っている。人間というものに対する無理解をさらけ出した人事だ」と批判した。公明党の山口那津男代表も、「民主の勝手な思い込みだ」と突き放した。

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