高橋洋一の民主党ウォッチ 
菅、枝野、与謝野それに総理夫人 財務省キャンペーンに屈した面々

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   与謝野馨氏を経済財政担当大臣にしたのが今回の内閣改造の目玉だという。与謝野氏は先の衆院選東京1区で民主党の海江田万里氏に負けて、自民党候補として比例復活して議席を得ている。そのまま、新党「たちあがれ日本」に行ったと思ったら、それを踏み台にして、民主党政権の閣僚になってしまった。

   これには、「たちあがれ日本」の生みの親である石原慎太郎都知事もあきれて、「君、恥かきたまうことなかれ」と強烈な皮肉をいっている。

   与謝野氏は、自民党時代に小泉政権、安倍政権、福田政権、麻生政権と4代に渡って経済財政担当大臣、財務大臣などの重要閣僚を歴任してきた。ところが、与謝野氏が重要閣僚になると、まもなくして政権が崩壊するので、自民党関係者からは墓堀人といわれていた。よくいえば「クローザー」であるが、これまでは問題解決という意味ではなく、本当に幕引きばかりだった。

「与謝野氏の入閣で財政至上主義内閣に」

   いうまでもなく、与謝野氏は、コテコテの財政至上主義者だ。財政再建に対する考え方は2通りあって、ひとつは与謝野氏のような財政至上主義で、財政収支均衡を最優先し、その手法は増税というもので財務省の主張そのものだ。もう一つは、経済主義であり、経済を立て直して税増収を上げ、それと同時に、資産売却、霞ヶ関埋蔵金発掘、歳出カットするという手法だ。

   与謝野氏が入閣したことで、財政至上主義内閣になった。別の言葉で言えば、消費税増税シフト内閣だ。閣僚人事を見ていて、筆者がツイッターに、「菅総理『増税で景気回復』、枝野官房長官『利上げで景気回復』、与謝野○○『インフレ悪魔、増税財政再建』。これら3本の矢で国民は八つ裂きにされる」と書いたら、リツイートが短時間で100件以上あった。これに、財務官僚OBの藤井裕久・官房副長官が加わる。この方も、「円高のもとで、増税財政再建」論者だ。

   円高もデフレも通貨がそれぞれドルや国内のモノに対して少ない現象なので、根は同じだ。これだけの役者がそろうと、デフレ・増税内閣になる。

   世論調査では、増税容認が多いらしいが、これまで菅政権で、何度ともなく増税が必要、必要と繰り返してきたので、あきらめの早い日本人は仕方ないかなと思ってしまうだろう。もちろん、これは財務省が周到に仕組んだ増税キャンペーンである。菅総理のみならず伸子夫人も「洗脳」されたようだ。

   マスコミも各社の経済部エリートを財研クラブ(財務省の記者クラブ)に配しており、その中はサラリーマン記者が多いので、これまで通り財務省からの増税キャンペーンを垂れ流している。財研クラブにいると、財務省に依存せずに記事を書くことは困難になってくる。多少批判記事を書くと、財研クラブという財務省内に部屋を設けて財務官僚と同じ屋根の下で同じ勤務時間に働き、食堂も共有し、アポなしで取材できるメリットを失ってしまう。だから、財研クラブから財務省と違う情報は出てこない。財政の話はかなり専門的であり、数字の話で間違うと財務省からクレームが付くので、記者は財務省に確認してからでないと記事が書けないのが実情だ。

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