「実績」あるドコモから発売の説も
異論もある。通信分野に詳しい梶本浩平氏が「CNET」で、KDDI版アイフォーンの可能性に触れた。ベライゾンとKDDIは、同じ通信方式だが周波数の運用方法が異なるため、端末もKDDI向けに改良する必要があり、その費用をKDDIが負担できるかと疑問を呈した。仮に一切手を加えずにベライゾン版をそのまま使うと、KDDIがカバーする電波エリアの問題から「SBMよりもつながりにくい」ものになる恐れを指摘した。
むしろNTTドコモの方が、発売の可能性があるという。通信方式はSBMと同じ。海外で購入した「SIMフリー」のアイフォーンをドコモのネットワークに繋いで使える「実績」もある。
ただし、販売するとなれば技術面だけでなく、ビジネス面でもクリアすべき点は多い。アップルからはSBMと同等の契約条件を求められると予想され、KDDIやドコモがそれを飲むかは不明だ。だがアップルも、米グーグルが開発した基本ソフト「アンドロイド」を搭載したスマートフォンが急速にシェアを拡大している事情があり、悠長には構えていられない。「1国1キャリア制」が米国で崩れた今、国内でも何かしらの動きは起こりそうだ。