2011年は「タブレット元年」 iPadを追い各社が新製品

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   年始恒例の世界最大の家電見本市「コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)」が2011年も米ラスベガスで始まった。米アップルの「iPad」のように板状で、画面を触って操作するタッチパネル方式の「タブレット」と呼ばれる多機能携帯端末が、注目されているのが今年の特徴だ。

   CESではiPadに追いつけとばかりに各社が新製品を発表し、11年は「タブレット元年」とも言われ始めた。ただ、肝心のiPadが爆発的に売れているわけではない日本国内で「iPadもどき」がどこまで普及するか、業界内で首をひねる向きもある。

「アップルに次ぐ業界2位」目指すシャープ

   パナソニックはCES会場で「ビエラ・タブレット」と名付けた試作機を公開し、年内に世界発売すると発表した。基本ソフト(OS)にグーグルの「アンドロイド」を採用。4型、7型、10型の3種類を用意する。薄型テレビのリモコンになるなど、テレビとの連携を強めた使い方を提案するという。

   シャープは日本で2010年末に発売した「ガラパゴス」を、11年内に米国に投入すると発表。ソニーは動画再生機能などを重視したタブレット端末を年内にも発売すると発表し、「アップルに次ぐ業界2位を目指す」とぶちあげた。ソニーは3D映像を再生するだけでなく、撮影できる機能を搭載することも検討しているようだ。

   他の日本勢では富士通、東芝が11年に参入するほか、NECは10年末に日本で発売しており、主要メーカーが出そろう。ソニーはタブレット端末の一種に数えられることもある電子書籍専用端末「リーダー」が既に米国で存在感を示しており、日本でも11年末に発売したが、動画機能の高い新商品で「iPad包囲網」を強める。

   タブレット端末は大きさと機能でパソコンとスマートフォンの中間に位置する。世界的にビジネス用でも、気軽に持ち運べる端末が重視される中、立ち上がったばかりの市場は急速に拡大すると見られている。

2013年にデスクトップパソコンに迫る

   米調査会社ガートナーによると、2010年に2099万台と推測される世界市場は、2013年に1億5415万台まで伸びる。同年に3億5810万台のノートパソコンには及ばないが、デスクトップパソコン(1億6121万台)に迫るとされている。

   この調査で2010年に約2100万台の内訳は6~7割をiPadが占めるようだ。アップルによれば2010年4月に米国で先行発売されたiPadは4~6月に327万台、7~9月に419万台と半年で計746万台を世界で出荷。年末商戦を含む10~12月期は固く見ても600万~700万台くらいは売るだろうから、計1300万~1400万台程度と見られる。実際、別の調査会社は「1380万台」と予測する。

   しかし、日本国内に目を転じるとどうか。アップルは日本の台数を開示していないが「数十万台」との見方がある。今人気のスマートフォンが10年度に前年度比3倍の675万台程度とされ、10年4~9月のパソコン出荷台数が約500万台。それと比較すると、この程度だろう。書籍などソフトの普及が今ひとつの日本国内ではiPadが急拡大はしていない。

   10年のCESでは「3Dテレビ元年」とメディアがはやしたが、ソフト不足などから実際には3Dテレビはテレビ全体の数%程度に止まっている。今年は「タブレット元年」かもしれないが、国内ではまず先頭ランナーであるiPadに力強さが求められるかもしれない。

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