スッチー制服も退職者の「お下がり」  JAL「ケチケチ作戦」進行中

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   会社更生手続き中の日本航空(JAL)は、2010年末にパイロットや客室乗務員(CA)の整理解雇に踏み切ったことでリストラ策が一段落し、少しずつ業績が好転しつつある。不採算路線の撤退や機材の小型化が主な要因だが、昼間のタクシー通勤を廃止したり、客室清掃もCAが担当したりするといった様々なコスト削減策も進んでいる。

   その中でも特に目を引くのが、これまではCAに対して新品の制服が支給されていたものが、退職者の「お下がり」の支給に切り換えられたことだ。それぞれのコスト削減効果は年に数千万円程度だが、JALでは「ひとつひとつの積み重ねが大事」だとしている。

新品1セットつくるのに約3万円かかっていた

歴代のJAL制服。一番右が、04年から採用されている現行の9代目だ
歴代のJAL制服。一番右が、04年から採用されている現行の9代目だ

   現在JALで使用されているCAの制服は9代目で、デザインは稲葉賀恵さんが担当。旧日本航空と旧日本エアシステム(JAS)の統合を機に、04年から使用されている。新品を1セット(ジャケット、スカート、ベスト、ブラウス、スカーフ)つくるのに約3万円かかり、これまでは3年に1回追加支給してきた。古い制服は回収し、廃棄していた。制服は外部に流出すると空港保安上の問題があることから、ロゴを外し、はさみを入れてから廃棄業者に引き渡すという念の入れようだった。

   JALが公表している有価証券報告書によると、09年3月末時点で5948人のCAが在籍していたが、10年3月から12月にかけて行われたリストラ策で、約2000人が退職したものとみられる。これにともなって制服を大量に回収することになり、再利用することになった。これまではイージーオーダーで新品を支給していたが、10年からは退職者から回収した制服を再縫製するなどして仕立て直したものを支給することになっている。

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