海老蔵さんからの「攻撃」を受けての行為?
海老蔵さん会見などによると、示談が成立したのは10年12月24日だ。示談に沿って、海老蔵さんは、伊藤被告(当時は容疑者)について、東京地検に公判請求を望まないとの上申書を出した。起訴はしないで、というわけだ。平林弁護士は、「こちらも三十万、五十万の罰金刑までは覚悟していました」と明かしている。起訴され裁判を受けるのではなく、略式起訴による罰金で済むのでは、と示談成立時ではみていたようだ。
しかし、10年12月28日、東京地検は伊藤被告を起訴した。「伊藤被告は罰金で済む」ことと「海老蔵さんによるI氏への加害行為は不問に」という、示談で想定されたバランスが崩れたことを意味する結果だったわけだ。伊藤被告が起訴され公開裁判に「さらされる」ことになったからには、「海老蔵さんの加害行為不問」に納得がいかなくなったとしても不思議ではない。
平林弁護士は記事の後半で、伊藤被告について「有罪は間違いないけど、やった行為は過剰防衛的な要素もある」と指摘している。過剰ではあったものの、防衛的すなわち海老蔵さんからの「攻撃」を受けての行為であり、一方的に悪いわけではないということのようだ。
真相はどうなのか。文春記事について確認するため、平林弁護士の事務所に電話した。本人不在のため折り返しの連絡を依頼したが、11年1月14日夕現在、返事はきていない。
海老蔵さんによる加害行為について捜査中なのか、について警視庁の複数の部署にきいてみたが、「捜査上のことは、発表があった場合はそれがすべてで、それ以上のことは話していない」とのことだった。