政治決断の決定時期でも対立
最終方針は「早急に政治決断する」としたが、その決定時期すら「遅くとも6月まで」「1月中をめど」と対立意見がそのまま記された。
政府は2011年明けに協議を再開する方針だが、「省益にしがみついている傾向がなきにしもあらずで、非常に苦戦している」(自見庄三郎金融担当相)。国内商品市場は、東京穀物商品取引所が取引量低迷を理由に東京工業品取引所への市場移管を決めるなど「瀕死の状態」(市場関係者)が続く。東京証券取引所の年間売買代金も上海取引所に抜かれ、てこ入れが急務だが、取引所同士の統合については「慢性赤字の商品取引所を押しつけられかねない」(東証関係者)と証券取引所側の抵抗感が強い。総合取引所構想の迷走はしばらく続きそうだ。