「子供たちにランドセルを背負わせるのが伊達直人 子供たちに借金を背負わせるのが菅直人」――漫画タイガーマスクの主人公、「伊達直人」を名乗り児童福祉施設などへ寄付を続けている人たちと菅直人首相を比較する、謎かけめかした言葉遊びがインターネットで注目を集めている。ふたりの「直人」対決から浮き彫りになってくることとは……。
2010年末のクリスマスに群馬県の児童相談所から始まった、「伊達直人」を名乗る人物によるランドセル寄付行為は年明けも続き、全国的な広がりをみせ、「タイガーマスク運動」という言葉も生まれた。
「子供に夢を与えるのが伊達直人 子供に無駄な手当てを…」
タイガーマスク運動を伝えるネット配信ニュースのコメント欄や2ちゃんねる、ツイッターには、伊達直人への賛辞や「偽善だ」などの批判の声が多数寄せられている。11年1月13日昼過ぎ現在、3000件を超えるコメントが寄せられているニュース記事もある。そうした中に、「直人」という名前の連想から、伊達直人と菅直人首相を対比する書き込みが相当数、登場している。
傾向としては、
「子供に夢を与えるのが伊達直人 子供に無駄な手当てを与えるのが菅直人」
など、民主党の子ども手当て政策を皮肉るものがかなり目立つ。
また、
「贈与するのが伊達直人 増税するのが菅直人」
と、菅首相の持論である消費税増税に触れたものも多い。
ほかには、
「庶民を勇気づけるのが伊達直人 庶民を落胆させるのが菅直人」「虎のマスクで顔を隠すのが伊達直人 虎の威を借るのが菅直人」「フェアプレーで闘うのが伊達直人 スタンドプレーで目立とうとするのが菅直人」
と菅首相の「資質」に関するものもある。
菅首相「本当に心温まる活動だ」
また、尖閣諸島の漁船衝突事件での中国漁船船長釈放やロシア大統領の北方領土訪問を意識したとみられる、
「施設にランドセルを贈るのが伊達直人 中露にランド・セールするのが菅直人」
といったものもあった。
それだけ、多くの人がタイガーマスク運動に共感したということのようだが、低支持率に苦悩する菅首相の不人気ぶりがあらためて浮き彫りになった、とも言えそうだ。
菅首相は1月12日、タイガーマスク運動に関する記者からの質問に対し、「本当に心温まる活動だ。共助の精神を大切にしたいと改めて思った」と答えた。
菅首相は近く内閣改造に踏み切る方針だ。「共助の精神を大切にした」布陣になるのだろうか。そして、少しでもその評価を「ヒーロー・伊達直人」に近付けることができるのだろうか。