「天皇陛下が、『あの消えた高齢者は…』と」
「これは言っていいのかな…」と断りつつも、菅首相が就任直後、天皇、皇后両陛下と交わした会話の内容を口にする一幕もあった。戸籍上では100歳以上になる高齢者が相次いで行方不明だと明らかになった、いわゆる「消えた高齢者」の問題に関連する質問に答えるなかで、伸子さんは
「8月の半ばにですね、天皇・皇后両陛下と4人だけでお食事をするチャンスをいただきました。部屋に入ったとたんに陛下がお尋ねになったのが『あの「消えた高齢者」というのは、いったいどういうことなんでしょう?』ということをお聞きになりましたので…」
と述べた。首相動静によると、両陛下と菅首相夫妻は10年8月17日夕方、2時間半にわたって皇居で会食。天皇陛下は、10年12月20日の記者会見の冒頭で、
「高齢者の所在不明問題は、私自身思いも掛けなかったことで驚きました。私はこれまで人々が無事に高齢に達することを喜ばしいことと思っていましたが、元気に過ごしていると考えられていた高齢者の中に、その生死が分からない状況にある人々がいることが明らかになったことは非常に残念なことでした」
と発言している。