商品説明だけでなく新車開発者のインタビューなども
その後、新たなiPad活用方法としてビー・エム・ダブリュー(BMWグループジャパン)がMINIディーラーとBMWディーラーに商品説明用のツールとして展開。アウディジャパンも11年2月の「A8」発売までに、アウディディーラーのセールスがA8の商品説明だけでなくA8開発者のインタビューなども含めた情報を来店客に提供できるようにしはじめた。
さらに一歩進んだ活用方法を模索しているのがPCJ。11年3月にはプジョーとシトロエンのディーラーに、新車の見積もり機能のソフトや顧客情報の一部を入れられるようにしたiPadを配備する計画を持つ。またトヨタは国内宣伝・マーケティング活動子会社のトヨタマーケティングジャパンがトヨタ車のショールームであるアムラックス東京(東京都豊島区)内で、11年2月末までの予定で「ヴィッツ」の商品説明実験をスタートし、関東地区のディーラーにも導入して販売促進活動への活用を模索する。
iPadの販売現場への導入による新たな販売手法の構築で、ショールーム内ではセールスがスマートなスタイルで来店客と会話する光景が見られるようになっている。だがその背景には、セールスが持つ商品知識より購入検討者の知識の方が豊富なケースが多々あることや、来店客とスムーズに会話できる能力がセールスに不足していることもある。
iPadの導入がセールスの能力を補完することに対する期待は大きい。一方で販売現場のコスト削減に力を入れる他のメーカーやインポーターなどからは「たんなる新物好きに過ぎず、基本的な問題の解決には至らない」という声も聞かれる。iPad導入によりどれだけ実際に販売キャッチ率を高めることができるのかが鍵になる。