ジョンの思想、元々はオノ・ヨーコのもの?
ただ、ジョン・レノンさんが死去してから30年も経った今、何故これほどまでに人気なのか。音楽評論家の加藤普さんは「オノ・ヨーコは海外での方が、評価が高いんですよ。前衛芸術家としても高く評価されています」と語る。
オノさんは2001年に自身の40年の創作活動を振り返る「YES YOKO ONO」展で、アメリカ美術批評家国際協会の、ニューヨークにおける最優秀美術館展賞を受賞。09年にも国際展覧会、ベネチア・ビエンナーレの生涯業績部門で金獅子賞を受賞している。当時の報道によれば、主催者側はオノさんについて「パフォーマンスアートとコンセプチュアルアートの先駆者。現代において最も影響力を持つアーティストの1人」と説明したという。
また、オノさんはジョン・レノンさんの遺志を継ぎ、「LOVE&PEACE」の理想のもと今も平和活動を続けている。加藤さんは、
「ジョンが結婚したとき、一般の人からすれば略奪愛だったので、オノ・ヨーコは『悪い女』という印象だった。西洋人からすれば貧相な東洋人ですしね。しかし、ジョンはオノ・ヨーコを通して東洋思想に接し、彼女と一心同体になって平和活動を行った。オノ・ヨーコはジョンの死後も30年にわたり一貫して『LOVE&PEACE』と言っています。彼女はジョンのメッセージを伝えていると言っているけど、今ではむしろ、オノ・ヨーコがジョンにすり込んだと思われ始めている。そうなってくると、オノ・ヨーコを認めざるを得ないんです。彼女の評価は60~70年代よりも肯定的で高いものになっています」
と話している。