自治体と経済界は売却の実現性について懸念表明
国交省は2010年12月21日、経営統合の法案などを大阪市内で地元自治体や経済界に提示した。地元自治体と経済界は経営統合した後の収支予測や運営権を民間に売却する実現性について、国交省から具体的な説明がないことに懸念を表明した。国交省は「国が肯定した数値を外部に出すのは適当でない」などと反論した。
一方、関空は毎年度、政府から生活保護費に当たる「補給金」の支給を受け、単年度の黒字を確保するなどしている。2011年度政府予算の概算要求で、関空会社の補給金は概算要求の75億円通り、満額計上されたが、2012年4月の関空と伊丹の経営統合に向けた統合準備費は、要求11億6000万円に対して10億1300万円にとどまった。財務省は予定通り関空と伊丹の経営統合が進めば、関空の補給金を将来的に廃止し、民間空港として自立採算の正常化を図る方針だが、果たしてシナリオ通りに再生が進むか。残念ながら、残された現実の課題はあまりに大きい。