パネルを持った美女が登場して時刻を告げてくれるウェブサイト、「美人時計」が人気だ。09年にスタートし、PVは2年で月間5億を突破した。地方版のほか、金融企業やテレビ局と連動したバージョンもリリース。美人時計に出演したいという女性も増えているという。
美人時計は「あなたは1分間の恋をする」をキャッチフレーズに、09年1月にサイトがオープン。現在は株式会社化した美人時計(東京都)という会社が運営している。街中で、時刻が書き込まれたボードを持った女性が、1分おきに時間を教えてくれるといったサービスだ。
地方版のほか、韓国版やパリ版も
1日で1440枚の画像が入れ替わり、計360人の女性が登場する。当初は東京で撮影された東京版だけだったが、ネットだけでなく、テレビのワイドショーや新聞などで取り上げられ、現在は各都市を舞台にした地方版も開設、名古屋版や北海道版などのほか、韓国版や台湾版、パリ版などの海外版もある。
2010年1月5日には、SBIホールディングスとタイアップして「美人株価」というサービスをリリース。SBIグループの金融情報サイト「SBIF」上で見ることができ、日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)の書かれたボードを持った女性の写真が1分ごとに切り替わる仕組みとなっている。
同社によると、PVも大きく伸びており、開設から1年も経たない2009年9月の段階で月間2億5000万を突破。10年12月現在、約5億と倍になっているという。
モデルの審査基準「笑顔が素敵で明るそうな人」
大きく変わったのが、美人時計に出演するモデルの応募状況だ。当初は、撮影隊が渋谷や原宿を女性に声をかけて、断られるというパターンもあったが、メディアで取り上げられて有名になってからは、逆に応募が殺到しているという。
美人時計のサイトでのほか、オーディション雑誌や、『CanCam』などの女性ファッション誌に募集広告を出しており、メールや郵送などで応募の申込みが月に300件ほども寄せられる。担当者は、
「応募してくるのは、お勤めしている社会人が半分、女子大生が半分といった感じです。1日に360人の女性が出るので、大人数の中の1人だったらやってみたいなと、気軽に応募してくれる人が多いです。審査の基準は、笑顔が素敵で明るそうな方。最近は、時刻ボードを持った女性を街中で撮影していると、『美人時計の撮影ですか?』と聞かれることもあります」
と語る。
2010年12月20日、同社はテレビ朝日と「テレビ朝日版美人時計」を公開した。連動企画第1弾として、映画「相棒 劇場版II」のプロモーションでテレビ朝日系列局のアナウンサーが婦警姿で登場。今後は、テレビ朝日のオンエア情報など、番組コンテンツとの連動を高めた内容にしていくという。美人時計の担当者は、「まず47都道府県全ての地方版の制作を進めるとともに、今後も色々なメディアとのタイアップを続けていきたい」と話している。