牛丼チェーンの値下げ競争 ますます激化し240円登場

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   牛丼チェーンの値下げ競争が激しくなっている。「すき家」のゼンショー、「吉野家」を傘下にもつ吉野家ホールディングス、「松屋」の松屋フーズはそろって、2011年1月11日から1週間程度、「期間限定値下げ」を実施する。

   松屋は並盛を240円で提供。期間限定値下げでは2003年以来の低価格になり、牛丼業界「最安値」を打ち出した。すき家は250円。吉野家も270円で応戦する。

吉野家「黒字」でも売上高6%減

牛丼チェーンが一斉に「値下げ」キャンペーンに突入
牛丼チェーンが一斉に「値下げ」キャンペーンに突入

   吉野家ホールディングスが2011年1月6日に発表した2010年3~11月期連結決算によると、最終損益は前年同期の23億円の赤字から500万円の黒字に回復した。吉野家によると、10年9月に投入した低価格の「牛鍋丼」が好調で、「客数の減少に歯止めがかかった」と話す。子会社の持ち帰り寿司の「京樽」や「ステーキのどん」など採算改善も黒字に貢献した。

   大量仕入れによる原材料費の削減や店舗運営コストの低減を進めるなど、09年から取り組んでいるコスト削減策が奏功。「10年8月期まではこうした細かな積み重ねで、収益的に踏みとどまっていた状態だった」(吉野家HD)と振り返る。

   ただ、売上高は前年同期に比べて6%減の1290億円。牛丼関連に限ると、760億円と前年同期の778億円に及ばなかった。定番の牛丼よりも安価な牛鍋丼の人気で、客数は増えたものの、客単価が下がったことで減収となった。

   売上高の減少について吉野家は、「不採算店の閉鎖に伴う減少」とみている。同社の国内店舗は11月までに38か店を出店したが、不採算店などを62か店閉鎖。現在、1161か店になっている。「いい物件に対しては出店を考えていくが、いまは生産性の向上を第一に考えていく時期」と、慎重に構える。

   通期(2011年2月期)見通しでは、10年9月以降の勢いで残り2か月弱でさらに黒字を重ね、最終損益は5億円の黒字(10年2月期は89億円の赤字)を確保する計画だ。

   その一方で「すき家」のゼンショーは2012年3月期までに200店規模の出店を計画。松屋も11年3月期よりも2~4割増やす計画で、攻勢をかける。

   コスト削減効果で黒字を確保したものの、11年2月期に5年ぶりに店舗数が減る吉野家にとっては厳しい状況が続く。

吉野家「他社の値下げには追随しない」

   牛丼の低価格競争が勃発して1年が過ぎたが、2011年は大手3社が示し合わせたかのように、1月11日から値下げキャンペーンを展開する。

   松屋は、牛丼並盛が240円。前年のキャンペーンより10円安くすることで集客力を高める狙いがある。期間は17日15時まで。すき家は、18日朝9時までの実施。牛丼並盛で、通常よりも30円引き下げ250円で販売する。

   吉野家は17日15時まで、通常価格よりも110円値下げして、牛丼並盛を270円で提供。「牛鮭定食」や「牛鮭サラダ定食」などの定食類も110円安くする。

   同社はこれまでも値下げキャンペーンには消極的だった。客単価の下落を余儀なくされるため、「やりすぎ」は消耗戦を招く。

   そんななか、同社は「昨年も1月も実施したが、基本的に値下げキャンペーンは春と秋の年2回。今回は3社が出そろったが、他社がやるからといって値下げするつもりはない」と、強気の姿勢を貫く。

   11日から一斉に始まる値下げキャンペーンの行方が気になるところだ。

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