広島市長、マスコミ報道に不満? ユーチューブで「退任表明」の真意

富士フイルムが開発した糖の吸収を抑えるサプリが500円+税で

「マスコミの皆さんには正確な報道を…」

   異例の「ユーチューブ会見」に踏み切った理由を秋葉氏は明らかにしていないが、自分の発言が意図通りにメディアの取り上げられないことが背景にあるとの見方もある。例えば、10年12月17日の定例会見の中では、五輪誘致などの、次期市長選で争点になり得る政策について、

「マスコミの皆さんにこれだけ話しても十分に伝わらないというのは、マスコミの皆さんにもう少し正確な報道をしていただきたいなということをお願いしてるつもりでもあるんですけれども、そういった過程を経ないと、なかなか次の段階はどうするかということにはならないんじゃないかと思っています。まずは事実を正確に伝える。皆さんにはそれを誤解をあおるんではなくて、正確な理解を多くの皆さんがしてくださるような形での努力をさらにお願いしたいということを申し上げているつもりです」

と、マスコミ批判を展開しているほか、05年4月の会見では、自らについて書かれた記事について、

「あなたマスコミでしょ。ああいう公的なところで、公開の場で言ったことは正確に引用してください。そこにいたわけでしょ。それがなぜ不正確なことを言うのですか」

と、いらだちを見せたこともある。

   だが、広島市のウェブサイトには、質疑応答を含めた会見録や動画がノーカットで公開されており、世界中から市長の発言は未編集の状態でアクセス可能だ。今回のユーチューブ会見で変わったことは「市長が記者の質問を受けなくてよくなった」ことしかないという見方もあり、「質問されていることを避けている」との批判も呼びそうだ。

   現在、月2回のペースで行われている定例会見については、「しないということにはなっていない」(広島市広報課)として、予定通り続けられる予定だ。

   なお、似たようなケースとしては、佐藤栄作元首相が1972年に開いた退陣会見の冒頭「偏向的な新聞は嫌い。直接国民に話したい」と述べ、新聞記者が発言に抗議して退席。がらんとした会見場で、テレビカメラに向かって演説したことがある。

1 2
姉妹サイト