中国の金融引き締めで投資マネー流出
中国マネーの積極投資は近年目立っている。不動産投資では、北海道でリゾート開発のための土地購入が報じられている。リゾート開発そのものが中国人観光客を当て込んだものだが、これに憂慮した北海道庁が中国マネーを含む海外投資家による不動産購入を規制する動きもあるほどだ。
また、企業買収では山東如意科技集団(中国・山東省)が、アパレル大手のレナウンの筆頭株主に躍り出たのは記憶に新しいところ。ラオックスや本間ゴルフ、自動車部品のオギハラなども中国企業に取り込まれた。こうした企業買収は今後さらに増えそうだ。
一方、中国国内は不動産バブルへの警戒感やインフレ懸念から、中国政府は金融引き締めを強めている。2010年10月に、2年10か月ぶりに政策金利を引き上げたが、12月26日からはさらに0.25%引き上げて、1年もの基準金利で貸出金利が年5.81%、預金金利で年2.75%となった。
中国の金融引き締めは2011年に入っても2、3回程度引き上げられるとの観測もある。こうした規制強化で、それを嫌う投資マネーが海外に流出。日本への流入も当分続くとみられている。