三井住友と縁切った大和証券 業績低下、独立路線貫けるのか

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   証券業界2位の大和証券グループ本社が、2009年末に三井住友フィナンシャルグループとの提携を解消してから1年が経過した。メガバンクの後ろ盾を失ったことで、企業の公募増資や社債を引き受ける法人部門が苦戦、アジア事業の強化で活路を開く方針だが、このまま独立路線を貫けるのか、注目が集まっている。

   大和は三井住友と1998年に資本・業務提携に合意し、法人向け業務を手がける合弁会社「大和証券SMBC(現大和証券キャピタル・マーケッツ)」を設立した。

大手5社で唯一最終赤字を計上

   しかし、三井住友は2009年10月、経営危機に陥った米シティグループから日興コーディアル証券を買収、大和との統合を狙った。三井住友に経営の主導権を握られることを懸念した大和は、三井住友との提携を解消。2010年1月、独立路線に踏み出した。

   だが、「銀証連携」を捨てた代償は大きかったようだ。大和の2010年9月中間連結決算は、大手5社で唯一、最終赤字を計上。関係の深かった国際石油開発帝石の増資で主幹事を落とすなど、法人部門の苦戦が響いた。一方、日興は、三井住友の取引先のM&A(企業の合併・買収)仲介業務や社債発行、増資案件を着々と獲得。2010年9月中間連結決算は、売上高を示す純営業収益が前年同期比24%増の大幅増収、経常増益も確保した。

   10年度上半期は、欧州財政問題や市況の混乱を受け、公募増資や新規上場が少なく、業界全体が厳しい経営環境だったのは確か。三菱UFJフィナンシャル・グループの公募増資の共同主幹事など、大和が「独立路線になったからこそ、獲得できた案件もある」(幹部)。

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