座席が倒れる角度は10度強しかない
出発から約2時間が経過した1時25分ごろ、機内食の販売が始まった。機内に飲食物の持ち込みは認められていないので、何かを食べたり飲んだりするためには、この機会を利用するしかない。記者が受け取った機内食は、「ペンネのチキン狩人風ソース」。アルミ製の弁当箱のような容器に、鶏肉とご飯と、しめじを詰めたものだ。
記者はこの機内食を事前に700円で予約していたが、その場で注文した場合は900円。安いとはいえない設定だ。飲み物も買わなければならない。ビールとワインで30リンギット(約800円)。日本円でも支払いできるが、使えるのは紙幣だけだ。さらに、おつりはリンギットで戻ってくる。やはり効率化は徹底されている。
2時15分過ぎには室内の明かりが消え、大半の乗客が眠りについた。だが、座席が倒れる角度は10度強しかない。近くの席で赤ちゃんが夜通し泣いていたこともあって、記者は、ほとんど眠ることができかった。
その3時間半後の5時50分には、機内食や免税品の販売が始まった。免税品を買う乗客は多くないが、寝起きでのどが乾いているからなのか、飲み物を求める乗客は多い。記者が買ったコーラは6リンギット(約160円)。日本の物価水準からしても、かなり強気な価格設定だ。このビジネスモデルは、「本体を安く売って、必需品を高く売る」という点で、インクジェットプリンターの売り方と似ているのではないかと感じた。