フィギュアスケート・浅田真央選手(20)の人気はやっぱり凄い。2010年12月26日に行われた全日本選手権では、浅田選手の演技終了直後に瞬間最高視聴率38.6%を記録。平均視聴率でもお笑いの「M-1」やボクシングの亀田戦を大きく上回った。
浅田選手は、今季はとにかく不調だった。グランプリシリーズでは、安藤美姫選手や鈴木明子選手ら日本勢が次々とメダルを獲得する中、浅田選手は10月のNHK杯で8位、11月のフランス杯でも5位と惨敗。得意のトリプルアクセルも跳べなくなっていた。
今季初のトリプルアクセル成功
迎えた全日本選手権では12月25日のショートプログラム(SP)冒頭でトリプルアクセルを跳び、若干着氷が乱れながらも、今季初めて成功させた。その後も目立ったミスはなく1位に。26日のフリーでもトリプルアクセルに挑み、成功させたが安藤選手に逆転され、最終的に準優勝となった。
これまで不調だった原因の一つと見られているのが浅田選手を取り巻く環境の変化だ。タチアナ・タラソワコーチの元を離れ、9月から急遽、佐藤信夫コーチについた。また、それまでは地元・名古屋で練習していたが、NHK杯後は佐藤コーチのいる新横浜に移った。こうした事情がいまひとつ安定しない要因となっていたが、シーズン中盤に入ってようやく落ち着いてきた。
名古屋地区では瞬間最高視聴率44.8%
グランプリシリーズでいい成績を出せなかった浅田選手にとって、全日本選手権は世界選手権出場の可否が決まる大事な試合だったが、2位に入ったことで、11年3月開催の世界選手権への切符を手にした。
視聴率も凄いことになっている。12月26日は2010年最後の日曜日ということもあり、各局ともかなり力をいれた番組編成をしていた。平均視聴率は、NHKの「坂の上の雲」が9.7%(ビデオリサーチ調べ 関東地区 以下同)、ボクシングの亀田興毅・大毅両選手が出場したTBSの「亀田兄弟ダブル世界戦」が13.8%、そして、お笑いコンビ・笑い飯が優勝し、2010年が最後の開催となるテレビ朝日の「M-1グランプリ」が18.7%。これらに対し、フィギュア全日本選手権は29.0%と圧勝。浅田選手の演技終了直後には、瞬間最高視聴率38.6%という驚異的な数字を出した。浅田選手の地元名古屋地区だと、平均視聴率33.5%、演技終了後の最高視聴率が44.8%にもなっている。
過去のデータを見てみると、浅田選手が宿敵キム・ヨナ選手と戦って優勝を果たした2010年3月の世界選手権フリーでさえ22.6%(関東地区)だ。全日本選手権は日本国内での大会なのに、これほどの高視聴率を記録したのは、「浅田真央復活なるか」という期待がそれだけ強かったということだろう。
浅田選手は試合後、世界選手権では、トリプルアクセルをSPで1回、フリーで2回飛びたいと発言。同大会にはキム・ヨナ選手も出場することが決まっており、今度は2人の対決に注目が集まりそうだ。