「大塚HD」上場で手にした1600億 創薬ベンチャーのM&Aを狙う

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「グローバルに人材を獲得しやすくなる」

   また資金調達以外の上場のメリットとして知名度、信用度の向上も意識しており、樋口社長は会見で「グローバルに人材を獲得しやすくなり、事業提携も円滑に進む」と強調した。

   ただ、良くも悪くも創業家の大塚一族の影響力が強いのが大塚HDだ。それを象徴するように、東証の上場セレモニーの晴れ舞台で打鐘したのは樋口社長ではなく、創業家3代目当主の大塚明彦会長だった。明彦会長は1976年、38歳の若さで当時の中核会社だった大塚製薬の社長に就き、現在の社業の柱となる新薬開発を推し進めた。

   サントリーが40年以上かけてビール事業を黒字化してみせたように、「非上場オーナー企業」には長期的な戦略に持ち味がある。大塚HDがこれまで非上場を続けたのは、2000年に亡くなった大塚HDの「2代目」、正士氏が「物言う株主がいると挑戦的な経営ができない」との考えを持っていたためとも指摘されている。「2015年問題」を控えて上場を果たした大塚HDが「挑戦的な経営」を展開できるか、注目される。

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