軽はガソリンから一気にEVに進化 日産が三菱自と組む真の狙い

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   日産自動車と三菱自動車が軽自動車の企画・開発に取り組む新会社を折半出資で設立する。これは日産が軽市場に本格参戦するという宣戦布告に他ならない。日産はこれまでスズキや三菱自から軽のOEM(相手先ブランド)供給を受けていたが、自社開発は手掛けてこなかった。日産が三菱自と手を組み、軽の共同開発に乗り出すインパクトは大きい。

   軽はダイハツ工業とスズキがシェアの7割近くを占める2強体制が続いているが、日産・三菱連合が第3勢力に浮上するほか、将来的には両社が得意とする電気自動車(EV)を共同開発するなど、台風の眼となる可能性が高い。

日産・三菱連合はホンダを抜き第3勢力となる可能性

   日産は中期計画(2014年3月期)で国内シェアを現在の13%から15%に引き上げる目標を掲げている。カルロス・ゴーン社長は記者会見で「軽は国内販売の3割以上を占め、成長が期待できる。軽の品ぞろえは重要で、それには優秀なパートナーが必要だ」と述べた。三菱自の益子修社長も「単独では2大軽メーカーと戦えない。日産というパートナーが必要と判断した」と応じ、相思相愛ぶりを強調した。

   かつて軽を自社開発で生産するメーカーは、スズキ、ダイハツ、ホンダ、三菱自、スバル(富士重工業)、マツダと6社もあり、百花繚乱だった。これに対してトヨタ自動車と日産は軽を生産・販売しない横綱メーカーだった。

   ところが、国内の自動車市場の縮小とともに、メーカーの勢力図は様変わりした。日産がOEMで軽に参入したところ、「予想を上回る売れ行き」(ディーラー関係者)でジリジリと軽市場のシェアを伸ばし、現在は8.4%と3位のホンダ(9.2%)を追い上げている。トヨタも子会社のダイハツから軽の供給を受け、販売することが決まっている。これで日本の乗用車メーカー8社がすべて軽を扱うことになる。

   だが、軽を自社開発で生産するメーカーは逆に減っている。1990年代にマツダが自社開発から撤退。トヨタと資本提携したスバルは、グループのダイハツから軽の供給を受けることになり、名車スバル360から続く自社開発から撤退することが決まっている。このため、軽を自社開発するメーカーはダイハツ、スズキ、ホンダ、三菱自の4社となり、日産・三菱連合はホンダを抜き、2強に迫る第3勢力となる可能性が高い。

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