「頑張って3イニング」の声も
これに対し、甲子園時代からライバルの楽天・田中将大投手は、背が高く、上から投げ下ろすフォームで威圧感があるという。西武入りする早大の大石投手も、体が大きく球が速い武器を持っていると菅谷さんはみる。
「神宮では、スピードガンで150キロが出たといいますが、球に力がないので、バットの芯に当たると遠くに飛ぶんです。斎藤投手は、球種もストレートとスライダーぐらいで、プロではもちません。フォークもあるようですが、もっと球種の多さを求められるでしょう。このままでは、頑張って3イニング、へたをすると2イニング止まりですね」
オープン戦は、バッターがどんな球なのか見極めている段階なので、いいピッチングをする可能性はある。しかし、その段階で投球ぶりが丸裸にされ、公式戦ではそうはいかなくなるという。
ただ、日ハム側からしてみれば、そんな斎藤投手を使っても、経済効果からみればおつりが来るほどだというのだ。
「観客動員やグッズ販売などを通じて、キャンプが終わるころまでには、投資分が回収できるでしょう。少なくとも、オープン戦で予告登板すれば観客席が満員になり、2試合あればペイすると思います」
実際、公式戦初登板で東京ドームの観客席が満員になれば、入場料収入だけで1億円ほどが入るとされ、これだけで斎藤投手の契約金をペイできる。
とすると、斎藤投手は客寄せパンダのまま野球人生を終えてしまうのか。
「球団側も、5年間は頑張ってくれればいいと、期待している部分はあると思います。そして、プロである程度実績を残せば、アマチュア野球の指導者としても活躍できるでしょう。いずれは、早実や早大の監督になるという選択肢があるかもしれませんね」