小沢氏の強制起訴後に離党勧告?
小沢氏が支持議員らを連れて離党する可能性について、付いて行く議員らの数は多くないと見られている。このため、12月20日放送の情報番組「みのもんたの朝ズバッ!」(TBS系)や「スーパーモーニング」(テレビ朝日系)では、政治解説コメンテーターらが、小沢氏は党内に残って影響力を行使する方針だと解説していた。
菅首相らが小沢氏の国会招致を進める真意を巡っては、「小沢氏の強制起訴後の離党勧告を睨んだ環境整備」との指摘もあるが、「危険水域の2割台に落ち込んだ内閣支持率を浮上させるために『脱小沢』姿勢をとっているだけ」との見方もある。
支持率低下と野党との政策協議不調の原因について、菅首相周辺は、小沢氏の「政治とカネ」「説明不足」が一因だと強調し、小沢氏周辺は「問責決議を受けた仙谷由人官房長官のいなおり」が問題だと、互いに「敗因」をなすり合っている形だ。
ジャーナリストの鳥越俊太郎氏は、「スーパーモーニング」(12月15日)で、小沢氏の政倫審招致について菅首相が「本気で」取り組んでいると分析したが、「小沢さんとの決別を決意したのか」との質問には、「いや、そこまでは……どうですかね」と懐疑的な見方を示した。また、20日の「朝ズバ」では、杉尾秀哉・TBS解説委員室長は、「ここで(小沢問題の)カードを(菅首相が)切って決定的な事態になるより、カードとして残しておくという考え方もある」と指摘した。
菅首相は、拳を振り上げたもののその拳はそのまま――そんな中途半端な状態がしばらく続く可能性があるようだ。