「後ほど連絡します」といったまま音沙汰なし
海賊版問題で揺れるなか、別の問題も浮上した。総務省のワーキンググループ(WG)で、アイフォーンのフィルタリングの不備が問題視されたのだ。
2009年に施行された「青少年インターネット環境整備法」では、18歳未満に対して携帯電話やPHSを販売する際、有害な情報にアクセスしないようにするため、保護者の申し出がない限りはフィルタリングを設定することを携帯電話事業者に義務付けている。だがアイフォーンの場合、購入者が各自で設定、あるいは必要なアプリをダウンロードする仕組みだ。その際に「iTunes」の個人アカウントが必要になるため、結果的にフィルタリングの利用の有無は購入者に委ねるしかなく、販売時に業者側が設定するのは困難だ。
総務省消費者行政課に聞くと、販売時にフィルタリングが設定されない機種はアイフォーンだけだという。この点を重視したのが、総務省の「青少年インターネット ワーキンググループ(WG)」だ。12月14日付けで、アップルジャパンのダグラス・ベック社長宛に質問状を送付。アイフォーンがフィルタリングサービスを実装せずに販売している理由はなぜか、フィルタリング用アプリを、アイフォーン販売時に店頭でインストールすることに支障があるのか、といった点をただしている。現段階では、フィルタリングの不備が明らかに「違法」とは言えないようだが、WGは次回2011年1月下旬に開催される予定で、それまでにアップルからの回答が寄せられれば議題にのぼり、その内容いかんで「アップルはきちんと対処すべき」との結論が出れば、「次のステップに進む」(総務省消費者行政課)ことになる。そうなれば行政指導などの可能性が出てくる。
J-CASTニュースでは、アップルジャパンに電話で2度にわたり、海賊版アプリとフィルタリングの2点について取材を申し込んだが、いずれも「広報担当者不在のため、後ほど連絡します」との対応だった。その後も連絡はこなかった。