猪瀬直樹東京都副知事の「ツイッター(Twitter)」での発言が物議をかもしている。都の青少年健全育成条例の改正案の成立に関して、どんなマンガの表現が規制にかかるのか質問されると、「傑作であれば、条例なんてないも同然だから、文句があるなら傑作を書いてみろ」と言い放ったのだ。ネットでは「副知事が問題を一切理解してない!」などとバッシングが拡大している。
猪瀬氏は2010年12月7日も「マンガの関係が好きな人のなかには人生が行き止まりと感じている人が多い」などとツイッターで呟き、批判を受けたばかりだ。
「作品がうまく書けないことを条例のせいにするな」
2010年12月15日に可決された都の条例改正では、近親相姦表現をした漫画・アニメは18歳未満への販売が自主規制対象になることが決まった。そうしたなか「ツイッター」で猪瀬氏に対し、「手塚治虫さんの漫画火の鳥は近親相姦描写がありますが区分分けされるのか」という質問が2010年12月14日にされた。猪瀬氏はすかさず「されません」と回答。そしてこう続けた。
「自分が作品をうまく書けないことを、条例のせいにしてはいけない。そんなものがあってもなくても傑作ができれば条例なんてすっ飛んでしまう」
さらに、今回の条例改正を巡り国内の大手出版社10社が「東京国際アニメフェア」へ参加を取りやめたことを念頭に、
「出版社は傑作なら喜んで原稿を受け取る。条例なんて、そのつぎの話。まずは傑作を書いてから心配すればよい。傑作であれば、条例なんてないも同然。つるんで騒いでもあとが虚しい。自分の生き残りを考えること。ライバル同士がつるむことに僕は理解できない」
と言い放った。
この発言についてネットではバッシングの嵐になり、
「火の鳥だって今出版したら傑作だと認められる前に発禁にするくせに。ばかじゃねーの」
「傑作も規制も誰が決めるかだって?そんなもんお前らに決まってるだろうが?」
「表現の萎縮、表現の規制につながる、そう言ってるのに副知事が問題を一切理解してないな」
といった書き込みがネットの掲示板やブログに大量に出た。