出版社「今後は性描写を抑えめにします」
「奥サマは小学生」は、児童ポルノなどが問題になる中で誹謗・中傷があったとして、作者の松山せいじさんが2010年1月、秋田書店に絶版の申請をしたことをブログで明らかにしている。
とはいえ、猪瀬直樹副知事が取り上げたことに対し、松山さんは、ツイッター上で怒りをぶちまけた。セックスシーンは一切ないのにと批判し、「スケープゴートされた時の為に、ブログやツイッターやmixiで、遺言書でも書いておくべきなのだろうか」と嘆いている。
実際に規制対象になるのは、11年7月1日以降に発売される漫画・アニメだ。しかし、都の青少年課では、「『奥サマは小学生』は、過去に出ているものですので、不健全図書指定にはできませんが、この漫画の表現に似た作品は、規制対象になりうるということです」と明かした。
ネット上では、この作品表現以外に、どんなものが規制されるのか特定しようという動きが出ている。
情報サイトでは、大手出版社から出ている漫画もいくつか挙がっている。そこでは、少女が乳首を相手にこすりつけていたり、下半身をもんだりする様子が生々しく描写されていた。
各出版社では、販売規制を巡って、戦々恐々としているようだ。
ある出版社の漫画雑誌編集者は、「レイプや近親相姦は名指しされていますので、新たな企画や作品づくりでは、それは避けたいと考えています。確かに、18歳以上なら販売できるのですが、売り場でゾーニングされていないので買えるじゃないか、と指摘されると困りますので」と明かす。別の出版社の漫画編集部でも、「うちはソフトH路線なんですが、今後は性描写を抑えめにしようと考えています。いくらでも拡大解釈が可能で、恣意的に運用されそうですからね」と言う。
ただ、条例があいまいだとして、角川書店と同様に、各社とも具体的な対策については決めかねている様子だ。