米政治系ニュースサイト「ハフィントン・ポスト」が、創刊5年目にして初の黒字を計上する見通しであることが明らかになった。サイト創設者のアリアナ・ハフィントン氏が米通信社のブルームバーグに明らかにしたものだ。絶好調ぶりの秘密は、どこにあるのか。
サイトは2005年にオープン。現時点でのサイトの月間ユニークビジター(月に1度はサイトにアクセスする人)数は、2600万人を超えており、そのうち約400万人は、掲載された記事に、何らかの見解を示すという。
2012年には売上を1億ドルに引き上げる計画
ハフィントン氏は、ブルームバーグに対して、
「読者はニュースを消費するだけではない。ニュースを共有したり、進歩させたり、内容を加えたりしたいものだ」
と、読者が「単なる読者」にとどまらないことを強調している。売り上げの見通しについては明らかにしていないものの、ハフィントン・ポストに近い関係者がブルームバーグに語ったところによると、10年には3000万ドル(約25億円)ある売り上げを、12年には3倍の1億ドル(約84億円)にまで引き上げる考えだという。
米調査会社のコムスコアの調べによると、ニューヨーク・タイムズのユニークビジター数は3460万人。約2600万人のハフィントン・ポストがニューヨーク・タイムズを猛烈に追い上げている形だ。ニューヨーク・タイムズは、コストを削減し、ネット広告収入が好調なこともあって、ここ2年ほどは黒字基調だ。なお、広告収入の伸びは、読者数の伸びと大きな関係があるとされる。
約190人のスタッフを抱えているハフィントン・ポストの主な収入源は広告収入で、現段階では記事自体の有料化や、紙媒体への進出は考えていないという。