音楽グループ「いきものがかり」のリーダー水野良樹さん(28)は、「いきものがかりの活動休止」報道におかんむりだ。たった半年ラジオやテレビに出ないことで活動休止といわれるのは馬鹿らしい、というのだ。「この件については触れない」と「ツイッター(Twitter)」で宣言していたが、2010年12月15日にまたこの話題を持ち出した。
「活動休止」騒動は2010年11月10日付けの日刊スポーツがきっかけ。「いきものがかり活動休止」という見出しを掲げ、2011年1月から半年間のスケジュールが空いていて、人気絶頂の時期での充電は極めて異例だ、と報じた。サンケイスポーツも10年12月9日付けで、ボーカルの吉岡聖恵さんがレギュラーのニッポン放送「オールナイトニッポン」を12月で卒業。「大みそかのNHK紅白歌合戦が表舞台『最後のステージ』になる」と書いた。
「お出かけ前の活動休止は異例だ(笑)」
一連の報道に対し、リーダーの水野さんは10年12月9日に「ツイッター」で、
「テレビやラジオに出ないとこの国では、睡眠時間を惜しまずレコーディングしていようが、命を削るような気持ちで楽曲を作っていようが、肉体を酷使して楽器や歌の鍛練をしていようが、ミュージシャンは『実質的な活動休止』と言われるらしい。しかもたった半年で。馬鹿らしい」
と激怒。自分は曲を作るといった「実質的」な音楽活動をすると決めているのに、それを活動休止と言われるのは心外だ、とし、
「もうこの件については、ここでは二度と触れない。訳のわからない『関係者』が出てきたり、発言を都合よく脚色されたり、付き合ってたらキリがない。あとは皆さんで判断してください。続けます。以上です」
と結んだ。
このツイートは様々なメディアで取り上げられ、ファンは「いきものがかり」は半年後に戻ってくると安堵。水野さんも思いのたけをぶつけたことでこの問題は一件落着したかと思われたが、まだ腹に据えかねていたようだ。
10年12月15日に水野さんは「ツイッター」で、朝風呂に入っていたときに電話があり、すっぽんぽんで電話に出た、などとつぶやいた。これに高校生から、
「そのうち『入浴で活動休止!?』って報道されるかもですね(・_・)笑」
とリツイートされ、「休止問題は二度と触れない」と言っていたにも関わらず
「入浴で活動休止。期間は20分、長ければ40分ほどになる見込み。就寝前ならともかく、お出かけ前の活動休止は異例だ(笑)」
と返した。
「休養後は一回り大きくなって帰ってくるのでは」
水野さんはどうしてこんなに怒り続けているのか。音楽評論家の加藤晋さんによれば、まず、「活動休止」というのは、解散、二度と帰らないようなニュアンスがある、と説明する。J-POPは今や日本音楽界の柱になっていて、短期間でのシングルCDやアルバムのリリースや、多くのコンサートを求められる。「いきものがかり」は2010年、全国47都道府県で60本のツアーを行い、シングルCDを3枚、オリジナルアルバムは09年12月と、初のベストアルバム「いきものばかり」を11月に出したばかりだ。
そんな彼らにとって、半年という期間は短く、「ちょっと休ませてよ」というイメージだった。それがいきなり「活動休止」報道になったため水野さんはこんな反応をしたのではないか、と加藤さんは分析する。そして、彼らはまだ経験が浅く、CD制作やコンサート、テレビ出演の要望が殺到する中、自分達の適正な活動サイクルが分からない状況にある、とし、
「絶頂の今こそ、音楽界での立ち位置の確認と、創作のための余裕を持ちたいと考えての休養なのだろう。そうした時に出た報道に目くじらを立てるのは大人げないけれども気持ちは分かる。休養後は一回り大きくなって帰ってくるのではないかと期待しています」
と話している。