民主党の横峯良郎参院議員(比例)について、「政治資金でゴルフ大会へ」「娘出場の17回」などの見出しで朝日新聞が報じた。横峯議員の事務所は「ゴルフ大会へ集まる支援者に会いに行く政治活動だ」と反論している。横峯議員は、プロゴルファーで3女の横峯さくらさんの父として有名だ。
2010年12月14日付朝刊で朝日新聞は、横峯議員が代表を務める政党支部の一部支出について「政治活動費かどうかがはっきりせず」などと報じた。さくら選手が出場するゴルフ大会に横峯議員が行った際の宿泊費や交通費を同支部が支出していたという。09年の政治資金収支報告書などから判明したとし、さくらさんが出場した大会への訪問17回で計約69万円が「国庫からの政党交付金で賄われていた」。
「それが政治にどう役立つのか説明を」
朝日記事には、横峯議員事務所の「娘の応援について行っているわけではなく、後援者に会いに行っている」などとする反論も載っている。また、学習院大法学部の野中尚人教授の「(略)税金を使う以上、議員になる前の活動とどう違い、それが政治にどう役立つのかを、横峯議員自身がきちんと説明する必要があるのではないか」とのコメントも紹介されている。
朝日報道を受けた形で、12月14日午前には、毎日新聞や共同通信、フジテレビ系ニュースなどが「追っかけ記事」をインターネットやテレビで報じた。
J-CASTニュースも横峯議員事務所へ聞いてみた。事務所の説明では、「私的にさくら選手の応援へ行ったわけではなく、支援者に会いに行くための政治活動だった」。さくら選手の父という立場での活動を通じて支援者が広がったという背景や、横峯氏が全国対象の比例選出議員であることも指摘。そうした各地の支援者が近くであるゴルフ大会を機に集まる形となるため、支援者との交流を目的に訪れている、としている。
また、さくら選手の宿泊・交通費は支出していないとも話した。ただ、横峯議員がさくら選手へ練習の際にアドバイスすることはあったようだ。
「公私混同、各有権者がどう考えるか」
今回のケースについて、数人の政治学者・評論家にコメントを求めると、「公私混同なのかどうか……各有権者がどう考えるかでしょう」というあいまいな感想が返ってきた。
横峯議員は07年の参院選で初当選した。横峯議員を巡っては、10年11月末には、賭けゴルフ問題などを報じた週刊新潮記事で名誉を傷つけられたとして、新潮社などに損害賠償を求めた訴訟の判決があり、東京地裁は横峯議員の請求を棄却した。10年7月には、飲食店経営会社社長が現金約30万円を脅し取られたとされる事件で、東京第4検察審査会が、同社役員について起訴相当の議決を出した際、横峯議員についても「(事件について)参謀のような活動をしており、深く犯罪に関与している」と異例の言及をしたことなどが報じられている。
また、09年分の政治資金収支報告書関連では、自民党の今村雅弘衆院議員の資金管理団体が、キャバクラ代金を政治活動費として計上していたことが発覚するなどしている。