エネルギー利用率アップで「節約」にも貢献
「節約志向」もプラスに働いている。エネファームは水素と酸素(空気)の化学反応で電気をつくる仕組み。家庭で使う照明や家電製品の電気と、お風呂やキッチンなどで使うお湯をつくり出すシステムで、家庭でできるCO2削減策としても注目されている。
たとえば、家庭の電気は従来は送電時のロスや発電時の熱を廃棄してきたため、エネルギーの利用率が40%程度しかなかった。エネファームは送電時のロスがなく、発電するときの熱も家庭での給湯などに使うことができるので、エネルギー利用率は80%にもなる。
ただ、エネファームを使うことでガスの使用量が増え、ガス料金が上がることを心配する人もいる。そんなことから、ガス会社はエネファームを導入している家庭のガス料金を優遇する料金プランを設けている。大阪ガスによると、ガスと電力を併用してきた家庭に比べて、光熱費で年間約6万9000円(戸建て住宅4人家族の場合)節約できるという。
さらに、注目されているのが太陽光発電との「W(ダブル)発電」。太陽光発電は余った電力を電力会社に売ることができる。一方、エネファームはおもに家庭で消費する電力量の約70%をまかなえる。このため、両者を組み合わせることで売電量がアップして、家計は「オトク」というわけだ。
大阪ガスでは「ダブル発電プレミアムポイント」サービスを実施していて、「太陽光発電×エネファーム」の普及促進に注力している。