歌舞伎俳優の市川海老蔵さん(33)が先に手を出したとして、元暴走族リーダーの男性(28)が被害届や会見の準備をしていると報じられている。海老蔵さんが示談に応じるようシグナルを送っているともされ、その行方が焦点になってきた。
海老蔵さんの傷害事件では、元リーダー側とみられる関係者が事件後からマスコミに情報を小出しにしてきた。
示談に乗るように、様子を伺う?
報道によると、海老蔵さんが先に手を出したとし、元リーダーが鼻血を出すほど顔などを殴られたと主張。その後は、全治2週間のけがをしたとする診断書を持っていることを明らかにするなどしていた。
しかし、なかなか表立って反撃せず、事件から2週間以上経って、ようやくその動きが出てきた。2010年12月16日に警視庁に被害届けを出すとともに、代理人の弁護士が記者会見を開くというのだ。
スポーツニッポンの13日付記事によると、元リーダー側の藤本勝也弁護士は、「向こうはそのつもりがあるのかどうか」と暗に示談に応じるようほのめかしている。つまり、海老蔵さんが手を出したことを認め、なんらかの解決をするよう促した可能性があるわけだ。
逮捕・送検された伊藤リオン容疑者(26)も、元リーダーら仲間と示し合わせたかのように、事件のきっかけなどには、あいまいな供述をしている。「一方的に因縁をつけて殴ったわけでない」としながら、海老蔵さんがどんな因縁をつけたかについては供述を拒否しているという。また、自分1人でやったとし、仲間についてはかばっているようだ。
こうした動きは、海老蔵さん側が示談に乗るように、様子を伺っているようにも思える。J-CASTニュースでは、藤本弁護士に取材しようとしたが、個別の取材対応はしていないとのことだった。
殴ったのなら守秘義務条件に示談の可能性
一方、市川海老蔵さんは、会見でも元リーダーを殴ったことを否定しており、民事介入暴力対策委員長もしていた深沢直之弁護士を立てて示談要求に準備しているようだ。アエラの2010年12月13日発売号によると、けがが重い方が被害者になることを想定して、実際は軽傷なのに重傷とアピールしたのではないかとの見方もあるという。
示談などに詳しい紀藤正樹弁護士は、もし海老蔵さんが殴ったのなら、示談もありうるとみる。
「そのことを表に出さないという守秘義務条項を前提に、話が進む可能性があるでしょう。相手側への警告書が出ていない以上、水面下で交渉が進んでいる可能性があります。ただ、今回の場合は、海老蔵さんは、分が悪いと思います。事件現場では、何人も暴行を見ている可能性があり、全員と和解しないと隠しごとができないからです。やりとりが難しいですね」
リオン容疑者が様子見をしているとしたら、示談の成り行きを見守っているのかもしれない。
「容疑者が元暴走族リーダーの男性と親しいなら、海老蔵さんが示談に応じれば秘密を守るというバーターをする可能性があります。被害届が出たままなら、起訴されると思いますが、もし取り下げられれば、比較的早く釈放されるのではないですか。略式起訴で罰金刑にはなりますが、正式起訴はされないでしょう」
もっとも、海老蔵さんが殴っていないとしたら、被害者として名誉毀損で元リーダー側を訴えてもおかしくないとしている。