衆院議員60人以上も連れて党を割ると窮地に
「菅政権が浮揚するための選択肢は限られています。しかし、仙谷官房長官外しはやりづらいので、内閣改造は難しいでしょう。また、手詰まりとなって衆議院を解散しても、惨敗は目に見えています。最後に残っているのが、『小沢切り』です。たとえ小沢氏の国会招致が実現しても成果は少ないでしょうから、結局は離党勧告になることは十分にありえますね」(伊藤惇夫さん)
ただ、小沢一郎氏が衆院議員60人以上も連れて党を割ると、衆議院が過半数割れになる。そうすれば、菅政権の不信任案が可決され、解散するか総辞職するかの窮地に立たされることになる。つまり、小沢新党への流出をどれだけ食い止めることができるかが、政権生き残りのカギになるわけだ。
「小沢氏は、若手と飯を食べたり、1年生議員で作る北辰会を立ち上げたり、鳩山氏と会合を持ったり、陣営構築に動いています。小沢氏が新党に向けて、どれだけ手を打っているかが勝負ですね。20~30人に留まる可能性もありますが、政界再編のキャスティングボードになれるなら集まるでしょう」
参院議員の場合、10人以上連れていければ、公明党を引き寄せてもねじれは解消できないことになる。
民主党が分裂した場合、菅政権が自民党との大連立に動く筋書きも考えられる。しかし、自民党の大勢は、支持率が低い菅首相の下での連立に否定的と報じられている。とすると、やはり政権生き残りには、「小沢切り」の影響を最小限に留めること以外になさそうだ。
「消費税増税を先送りしているように、そもそも大連立を組んでまでやりたい政策なんてないんですよ。政権にしがみついていたいだけで、政策なんて2の次、3の次なんです。国民にとっては不幸なことですね」