「反ユダヤ」的な動きに対して厳しい抗議活動を繰り広げることで知られる米人権団体が、ディスカウントチェーン大手の「ドン・キホーテ」(東京都目黒区)に、製品の販売を取りやめるように求める文書を送っていたことが明らかになった。
帽子や上着、ズボンやブーツカバーがセット
矛先を向けられているのは、ナチスドイツのシンボルだとされる「かぎ十字」がプリントされたパーティー用コスチューム。人権団体側は、「かぎ十字は今でも、アジア人を含む全ての『非アーリア人』への憎しみの象徴だ」と主張。ドンキ側は指摘を受け、「社会的責任に配慮した」として、即刻回収した。
文書を送ったのは、米国ロサンゼルスに本拠地を置くユダヤ系人権団体「サイモン・ウィーゼンタール・センター」。同センターは、1995年には「ホロコーストは作り話」などとする記事を掲載した文芸春秋の月刊誌「マルコポーロ」に対して猛抗議したことで知られる。文芸春秋側は同誌の回収と廃刊、花田紀凱編集長(当時)の解任を決め、社長は辞任に追い込まれている。
今回批判されているのは、ドンキが販売していたパーティーグッズのひとつだ。「ナチスの総統」という名前で、ポリエステル製の帽子や上着、ズボンやブーツカバーがセットになったものだ。黒の上着には、かぎ十字の紋章が入った腕章も確認できる。銀座など都内の店舗で売られたといい、通販サイト「アマゾン」でも、3970円で購入できる。