携帯売り場埋め尽くす新モデル スマートフォンブームが始まった

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   年末商戦に向けて、携帯通信各社からスマートフォン(多機能型携帯電話)の新機種の発表が相次いでいる。

   2010年上半期の出荷台数が前年同期比の倍に伸び、既に携帯電話全体の1割を占めるまでに成長したとの調査結果も出るなど、スマートフォン人気は勢いを増す。新モデルが続々登場で、本格的な競争はこれからだ。

ブームに乗り遅れまいと必死

KDDIの「IS03」(左)とNTTドコモの「ギャラクシーS」
KDDIの「IS03」(左)とNTTドコモの「ギャラクシーS」
「携帯電話売り場の商品は、ほとんどがスマートフォンになってきています」

   大手家電量販店のヨドバシカメラに聞くと、最近のスマートフォンブームについてこうこたえた。新製品を予約した顧客には、事前に引渡し時間を指定して混雑緩和に努めているが、それ以外にもスマートフォンを店頭で触ってみたいと訪れる人は、各店で増えていると話す。

   冬のボーナスにターゲットを定めて、携帯通信大手3社は年末に向けて新機種を投入する。口火を切ったのはNTTドコモだ。2010年10月28日、韓国サムスン電子製の「ギャラクシーS(Galaxy S)」を発売。予約段階から注文が殺到し、現在も品薄状態が続く。12月に入ると、カナダRIM製「ブラックベリー」や、3Dに対応するシャープ製機種、さらに東芝の高精細ディスプレーを採用したモデルを12月17日に発売する予定だという。「他社からも新製品が次々と登場して市場が盛り上がっているうちに、当社も商機を逃さないために新しい機種を出しています」と、NTT広報部は話す。

   出遅れていたKDDIも11月26日、シャープ製「IS03」を発売した。特設サイトで事前登録してから購入すると特典がつくキャンペーンを実施したところ、その数は「30万件を突破した」(KDDI広報)という。発売当日、同社の田中孝司専務(12月1日付で社長)は、「発売前にこれほど反響が大きかったのは、おそらくKDDI史上初めて」と話したそうだ。デジタル製品の販売動向を示す「BCNランキング」を見ると、11月22日~28日の携帯電話売れ筋ランキングでは1位を記録した。「スマートフォンだけでなく、携帯電話全体で総合的にアピールしていきたい」と同社広報は話すが、スマートフォンブームに乗り遅れまいと意気込みも大きいに違いない。

半数がスマートフォンになるのにそれほど時間かからない

ソフトバンクモバイルの「ガラパゴス」
ソフトバンクモバイルの「ガラパゴス」

   米アップルの「アイフォーン(iPhone)」で国内のスマートフォン市場をリードしてきたソフトバンクモバイル(SBM)は、米グーグルの基本ソフト「アンドロイド」を搭載したモデルで迎え撃つ。シャープ製「ガラパゴス」はワンセグや「おさいふケータイ」機能を盛り込んだうえ、専用メガネなしで3D映像を見られるのがポイントだ。SBM広報は、最初から3Dコンテンツを搭載しておき「購入後すぐに3D映像を楽しんでいただけます」と話す。米デル製「ストリーク」は、画面サイズがアイフォーンなど他のスマートフォンより大きいのが特徴だ。

   11月4日に開かれた新機種発表会で、ソフトバンクの孫正義社長は、アイフォーンを「最重要機種」と位置づける一方、アンドロイド機種の発売については「アイフォーン以外のものを求めている人もいる」とコメント。アイフォーン独走状態が続いた国内のスマートフォン市場も、他社製品、特に「アンドロイドケータイ」の登場で徐々に勢力図が変わりつつあることから、SBMでもアイフォーン一辺倒というわけにはいかなくなったのだろう。

   調査会社の矢野経済研究所はスマートフォンの出荷台数を、2010年度の426.5万台から11年度は703万台に跳ね上がり、3年後には3倍に達すると予測する。ヨドバシカメラの担当者は、今後機種変更でスマートフォンに乗り換える人が増えるのは目に見えており、「携帯電話を持つ人の半数がスマートフォンになるのは、それほど時間がかからないのではないか」と考えている。

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